看板ではないんですが貴重な
トマソンなんで投稿します。
※以前のトマソンの投稿は
こちらをどうぞ。
美しい純粋窓です。
窓枠もガラスも保存(?)状態が良く開閉は自在。スクエアに残された壁は、窓を飾る額縁となって全体で一つのオブジェとして完成されています。
そして「窓とは?」という根源的な問いを我々に突きつけて来ます。
太古の人類は外敵から身を守るために自然の穴を住居としていました。
しかし自然の穴には限りがありますので人類の数が増えるにつれ人は自ら穴を掘るようになります。
さらに人類が増加するにつれ合理性の追求と技術の進歩が必須となり、穴のない地上に自ら人為的な穴を作るようになります。
外敵から身を守るための穴を地上に構築したのです。これが建築のルーツだと思います。
しかし人類には欠点があります。夜目が効かないのです。暗い所でモノを見ることができない。
穴の中は暗く何も見えないので寝るしかありません。いわば住居は単なるベッドルーム(笑)。それに夏なんかは蒸して暑い!匂いもこもるしまだまだ不快な状態を我慢してた。
そこで画期的なイノベーションが起こります。窓の発明です。
窓の発明によって外光と外気の取り入れが可能となりました。
穴に居ながらにして、部分的ですが外と同じ光と新鮮な空気を得ることに成功したのです!
こうして地上に作られた穴は常に暗くジメジメしたベッドルームではなく、昼間は明るく、新鮮な空気で満たされた快適なリビングとして生まれ変わったのです。窓のお陰で一日中穴に居られるようになった。
なるほど。窓の機能的な役割と重要性は理解出来ました。
が、一つ疑問が浮かびます。それは照明機器とエアコンという装置です。
これらの装置によって窓は要らなくなったはずなのです。明るい光と、新鮮な空気をいつでも得られるようになった。自然の産物である光と空気を自らの手中に収めたのです。
なのにいまだに住居には必ず窓がある!
停電すると困るから?電気の無駄遣い防止のため?確かにそれもあるでしょう。
でもそれだけではない気がします。仮に技術の進歩により停電の可能性がなくなったとしても、無限エネルギーの発見によって節電の必要がなくなったとしても、それでも人間は穴に窓を作り続けると思います。なぜでしょうか?
この「純粋窓」は、その疑問と回答を同時に提示しながらそこに存在しています。