読書録 - 溝の住人

Nakajima

2011年02月17日 15:48

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)を読みました。

キュレーションの時代とは、

・これからはネット上に微細な価値を共有するマニアックな集団がいくつも生まれる。
・一般人はその集団の存在や共有する価値を知るすべがない。
・そこでキュレーターが潜入捜査し、その価値を一般人に分かりやすくまとめ情報発信(キュレーション)する。
・一般人はキュレーター(の情報)を通して「スゴい。こんな世界があったんだ」と感動する。
・こうした小規模な運動が延々と繰り返されるのがこれからの時代だよ。

と、かなり私的で乱暴な読みですが実際はこんな感じでしょうか。

あれ?これってハイテク・マーケティングのキャズム理論に近いんじゃない?
キャズム理論てのは、

・テクノロジーの市場には初期市場(=マニアックな集団)と主流市場(=一般人)があって、その間にはキャズムという大きな「溝(=キャズム)」がある。
・新しいテクノロジーを一般に普及させるにはこの「溝」を何とかして埋めないととダメだよ。
・そのためには…(以下省略)。

って理論だったはず。

つまりキュレーターってのは、ある意味キャズム請負人のことでしょうね。

この役割は大変でしょう。マニアからは「目立ちたがり屋」「カネの亡者」、一般人からは「変人」「道楽者」の扱いを受けるでしょうから。
その分を差し引いてもやりがいはありそうですが。

いろんな分野にいろんな学説があるようですが、この「溝の住人」が、これからの時代を引っ張って行くのはどうやら間違いなさそうです。


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