タイトルがインパクトのある本

Nakajima

2013年12月24日 01:54

最近の本はタイトルがバラエティーに富んでいて、ん?というようなものがたくさんあります。

こんなタイトルでどんな面白いことが書いてあるんだろうか?とわくわくしてつい衝動買いしてしまうのですが、しかしそういう本に限って内容は至極真っ当で正統的なものが多い。
読後は「ははぁ、仰せの通りでございます。」となります。

これは決してタイトルが「釣り」と言う訳ではなくて(もちろんそういう本もたくさんあるでしょうが)、当たり前になっていること、皆が正しいと信じていることを、もう一度メタな視点で問うという啓蒙的かつ戦略的なマーケティング手法だと思います。
私はいつもまんまと釣られるのですが、最近釣られた本をいくつか挙げてみます。

プア充 ―高収入は、要らない―


リア充ならぬプア充とは?
一言でまとめるならば「¥(円)から縁へ」シフトしたライフスタイルの提言です。小説形式でサクッと読めるようになっています。
社会人数年目くらいの若者が主人公なので、ゆとり世代の学生向けでしょうか?
プア充というライフスタイルは、ある世代以上の方々にはなかなか受け入れがたいと思いますが、いま最も現実的なスタイルであるように思います。

賢者は幸福ではなく信頼を選ぶ。


こちらは村上龍さんのエッセイ集です。
村上さんは本の取材でホームレスに近い何人もの人たちから「おれは気ままで、案外幸福なんだ」という話を聞いたといいます。
幸福とは置かれた状況に関係なく、本人が現状に納得さえすれば簡単に手に入るものだということです。
つまりそれはある意味「思考放棄」の状態だということ。それよりも今、わたしたちに必要なのは…。

君に友だちはいらない


インパクトのあるタイトルです。本屋でもひときわ目立っています。
内容もしっかりしています。Amazonでも相当売れているようです。
時代はゲマインシャフト社会からゲゼルシャフト社会へと転換している。つまり、地縁血縁的つながりから目的別つながりが重要になって来ているということ。タイトルの「友だち」とはこのゲマインシャフト=地縁血縁的つながりの比喩です。ではこれからのゲゼルシャフト社会で必要なものとは…。

努力する人間になってはいけない―学校と仕事と社会の新人論


これも強烈なタイトル。え〜っ?努力しなさいってずっと言われてきたのに。
約500ページの大作。後半はかなり難解な哲学的考察が展開されます。私は努力せずに流し読みしました。
著者は教育者で、かなり強い主張のある教育論が中心です。学生の子を持つ親世代は一読の価値があると思います。

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